多田健二

圧倒的に普通の事が出来る様になってきた。


明日で3年半働いた職場を辞める。

だいたい、どんな仕事でも1年ぐらい働いたら「もうええかな」と思い、辞めちゃうくせがある。そんなくせしかないあたしに合っている働き方は派遣で、もうずっとその手法で働いている。

契約内容の仕事だけどをすれば良いし、契約更新の時に簡単に辞める事が出来る。最高だ。


でも、もう少しだけ長く働ける人間になりたいな。と思ったので、何があっても東京オリンピックまでは働くぞ!と強く心に決めて今の会社で働き出した。

強く心に決めたのに、自分のことなんてすぐ裏切れてしまうから、やっぱり1年ぐらいしたら辞めたくて辞めたくて仕方がなかった。

オリンピックの方から近寄ってくれへんかな?とか、ありえへんこと思ったりしてたけど、世界的にもっとありえへん事がおこって、東京2020が2021年に開催することになった。

去年の今頃は、ほんまやったらオリンピックやってるはずやし辞めてもいいかなーとか思ってたのに、ズルズル今まで働けた。


今は国際宅配便業者の通関部で働いているのでフライトの時間に追われている。

マスク不足の時に、国内からいろんな国へマスクが輸出されたり、いろんな国からマスクが国内へ輸入されたりしていて、各国内でマスク充分賄えるよ!と教えてあげたい気持ちを堪えて働いたり、コロナ禍になって本当に忙しくなってしまって、残業、早出が当たり前になった時は悲しかったなぁ。

こんなに長時間働きたくってこの会社に入ったわけじゃないのにな。って、わざわざ被害者ぶってみたり、辞めたいけど、まだ頑張るかなーを繰り返していた。


恥ずかしいことやけど、こんなに長く勤められたの生まれて初めて。たった3年も同じ事を続けてこれなかった人間で、あたしなんて女は普段誰のためにもならない時間の使い方をしてるけど、仕事やってる時だけはきっと誰かの何かの役に立てている。

どんな仕事もきっとそうで、ボランティア精神のカケラも何もないのでお金を貰わない限り、誰かの役に立つことも出来ないから、1日8時間ぐらいなら良いかなと思えた職場だった。


今の職場の人には感謝しかない。

明日ちゃんとそれが伝えられるだろうか、良さそうなお菓子を伊勢丹で買ったけど、みんな喜んでくれるだろうか、心配だ。